入門 万葉集 を読む

2022年2月11日

1.古典(万葉集)を気軽に楽しむ

以前 らじるらじるの聞き逃し放送で紹介しました、奈良大学の上野誠先生の万葉集のお話がとても楽しかったので、図書館で先生の本を探して読まさせて頂きました。新書版の本で、「万葉集ってどんな感じ?」を知るためにはとても読みやすい本です。



2.感想

約30首くらい和歌が紹介されており、その歌を歌った人の史実と交えて、どのような思いでその歌を読まれたのかを解説されています。また読み人知らずの歌も多く紹介されており、その作者の思いや自然、季節、など感じた四季折々の情景などを詠んでいます。

紹介されている歌には、うなぎに関する和歌が2首紹介されています。当時もよく珍重されて食べられていたことがわかります。2首は大伴家持の作で、一つは石麻呂さんへ夏やせにはうなぎをとって食べなさいと歌っています。
 当時はうなぎが近くの川で普通にとれたのですね。また、当時から土用など夏にうなぎを食べる習慣があったことがわかり、1500年以上昔の生活、日本人が身近に感じます。もう一つの歌は同じく石麻呂さんに、うなぎを食べなさいといった後に、痩せていても生きていればよいです、うなぎをとるときに、川にながされないでね、と友人を気遣っています。

 このように普通に感じたことを歌にしたものが、万葉集には納められていることがわかり、おもしろいです。

もう一つ、作者不記載の歌
人皆は 萩を秋というが よし 我は
尾花が末(うれ)を 秋とは 言わむ

尾花はすすきのこと。わかりやすい歌ですね。こんなふうに親しみやすい万葉集の紹介をされており、ご興味のある方はお読みください。

書評

Posted by 洋蘭ベランダー