らじるらじる 「文化講演会」(いのちの古典学)おすすめ 上野誠教授(奈良大学)

2022年2月12日

1.講演について

上野誠教授(奈良大学)のらじるらじる 文化講演会を聞きました。
お話しが九州弁や関西弁の心暖まる口調で親しみやすかったです。
<らじるらじる>の聞き方について別のブログ記事(「らじる・らじる」はとても便利です)で紹介させていただきました。
今回は現在聞くことができる聞き逃し、文化講演会の放送のご紹介です。
 

2.概要

この講演会は奈良県王子町 (聖徳太子ゆかりの地)で行われたとのことです。聖徳太子の救済思想の発祥地に当たるとのこと。
教授のおかあさんを7年間介護された体験や大学受験に関するおかあさんとのエピソードのお話も交えて、本題の「いのちと古典学」についてご説明されています。
国際学会で挨拶で英語のスピーチより日本で縁起が良いとされる {鶴さん 亀さん。。。。}を歌って大変好評であったお話し。お母さんは福岡で著名な俳人で大学進学で子供を東京に送ったおかあさんの俳句を紹介されています。

古典はお母さんの俳句同様に過去に聞いたことで未來を考える哲学。

以下の和歌の紹介があります。
万葉集の「うつそみの 人なる我や 明日よりは 二上山を 弟と我が見む」 大伯皇女
(弟[大津皇子]は処刑され、この山に葬られた。生きている人は死んだ人を思い続けることしかできない。無くなった方を語ること。それが何よりの孝行ですと歌っているとのこと。)
 大友旅人 酒を誉める歌のご紹介があります。

古典も母親との過去体験も未來を考えてのもので大変貴重なものです。古典学は哲学的な学びとのこと。生きることは健康で長生きすることで医学的命題、そこから次に死を考えるところで哲学的命題に変わる。日本の古典はその哲学的な思考が含まれているとのことです。

お話がとても楽しい内容でお聞きになられてはいかがでしょうか?今度教授の本も読んでみたいと思います。


書評

Posted by 洋蘭ベランダー